壱醸(いちじょう)
越銘醸|栃尾の棚田と人の想いから生まれた日本酒「壱醸」
新潟県長岡市栃尾。
雪深い山々に囲まれ、美しい棚田が残るこの土地で酒造りを続けているのが「越銘醸(こしめいじょう)」です。
代表銘柄「越の鶴」をはじめ、栃尾の風土を映す日本酒を醸してきた酒蔵ですが、その中でも特別な物語を持つ酒があります。
それが「壱醸(いちじょう)」です。
壱醸は、単に地元で収穫された酒米を使って造った日本酒ではありません。
酒販店、農業、棚田、そして酒蔵。
地域の人たちが一緒になって米を育て、その米から一本の日本酒を造り上げる。
壱醸には、そんな栃尾ならではの物語があります。
越銘醸とは
越銘醸は、新潟県長岡市栃尾大町に蔵を構える酒蔵です。
創業は1845年。
長い歴史を受け継ぎながら、地元の酒としての伝統を大切にし、その時代に求められる酒質を追求しながら酒造りを続けています。
蔵を代表する銘柄のひとつが「越の鶴」。
すっきりとした味わいの普通酒から純米吟醸、大吟醸まで、さまざまな日本酒を手掛けています。
そして、越銘醸を語るうえで欠かせないもう一つの銘柄が「壱醸」です。
栃尾の棚田から始まった「壱醸」
栃尾は、新潟県内でも棚田が多く残る地域です。
山あいの斜面に田んぼが広がり、秋になれば稲穂が黄金色に染まります。
しかし、中越地震の後には、耕作を続けることが難しくなった田んぼも増えていきました。
そんな状況の中で立ち上がったのが、地元の日本酒小売店の有志でした。
「棚田の生き物を愛する会」をつくり、栃尾の棚田で新潟県の酒米「越淡麗(こしたんれい)」を育て始めたのです。
越銘醸も田植えや稲刈りに参加。
地元の人たちと一緒に育てた酒米を使い、一本の日本酒へと醸し上げました。
それが「壱醸」の始まりです。
「一から育てて、醸す」から壱醸へ
「壱醸」という名前にも、この酒の成り立ちが表れています。
酒米を仕入れて酒を造るだけではなく、田んぼから米を育て、収穫し、その米を酒へと醸していく。
「一から育てて醸す」。
そこから「壱醸」という名前が付けられました。
日本酒は米と水、そして蔵人の技術によって造られます。
壱醸の場合は、そこにもう一つ、「地域の人たちのつながり」が加わっています。
造り手の顔だけでなく、米を育てる人たちや棚田の風景まで見えてくるような日本酒です。
酒米は栃尾の棚田で育てた「越淡麗」
壱醸シリーズに使用されるのは、栃尾の棚田で育てられた酒造好適米「越淡麗」です。
越淡麗は、新潟県が開発した酒米。
新潟の酒造りを支えてきた酒米のひとつで、吟醸酒や大吟醸酒などにも使用されています。
壱醸では、この越淡麗を栃尾の棚田で育てるところから酒造りが始まります。
どこで育ったのか。
誰が関わったのか。
そして、どこの蔵が醸したのか。
その背景まで語ることができるのが、壱醸の大きな魅力です。
棚田を守ることと、日本酒を造ること
壱醸の取り組みで興味深いのは、日本酒造りが地域の棚田とつながっていることです。
棚田は、美しい景観だけで成り立っているものではありません。
毎年田んぼを耕し、苗を植え、草を刈り、秋に米を収穫する人がいるからこそ、その風景が残っていきます。
地元で酒米を育て、その米を地元の酒蔵が日本酒にする。
そして、その酒を地元の酒販店がお客様へ届ける。
「造って終わり」ではなく、米作りから販売まで人がつながっているところに、壱醸らしさがあります。
壱醸を飲むということ
日本酒を選ぶ基準は、味や香りだけではありません。
「どんな土地で生まれたのか」
「どんな人たちが造っているのか」
そんな背景を知ってから飲むと、一杯の日本酒の見え方が少し変わります。
壱醸の向こう側にあるのは、新潟県長岡市栃尾の棚田です。
そこで酒米を育てる人たちがいて、その米を日本酒へと仕上げる越銘醸の蔵人たちがいます。
栃尾の米を、栃尾で酒にする。
壱醸は、そんな土地と人とのつながりを感じさせてくれる日本酒です。
越銘醸の代表的な銘柄
越銘醸では「壱醸」のほかにも、長年地域で親しまれてきた「越の鶴」などを醸しています。
同じ酒蔵の酒でも、使用する米や精米歩合、造りによって、それぞれ異なる個性があります。
壱醸にも複数の商品があり、中には酒米を21%まで磨き上げた「壱醸21 純米大吟醸」のような一本もあります。
壱醸というブランドの物語を知ったうえで、それぞれの酒を飲み比べてみるのも楽しみ方のひとつです。
栃尾の風景を思い浮かべながら味わいたい日本酒
日本酒には、その土地だからこそ生まれる酒があります。
栃尾の棚田で酒米「越淡麗」を育て、地元の人たちと越銘醸が一緒になって酒へと醸す「壱醸」は、その代表的な一本と言えるでしょう。
華やかな宣伝文句よりも、田んぼから始まる酒造りそのものが、この酒の魅力を物語っています。
壱醸を手に取ったときには、ぜひ栃尾の棚田と、そこに関わる人たちの姿を思い浮かべながら味わってみてください。
一本の酒の中に、栃尾という土地の物語が詰まっています。
壱醸


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